フランケンワイン物語


第3話 続 Wurzburger Stein Harfe のこと


 このおしゃれな辛口ワインについて、もう少し紹介を致しましょう。

 レストラン・ワインケラーサワを開店してから、もう26年になりますが、 Wurzburger Stein Harfe を扱えるようになったのは、4、5年前の事です。

 それまでは本で読む幻の Wein でした。それも、すぐに売り切れてしまったりして、資本の乏しい私には、大量を扱うことは出来ませんでした。

 一昨年 Wurzburg を訪問の折も、Stein 畠の向い側から、「あれがHarfe だよ、あの三角い畠だ。わかるだろう」などと、ドイツ人の道案内に言われ、「そうか、そうか、あれか。見た見た」と思って、一応満足しましたが、飲めば飲むほど気になる味なのです。

 巨大なStein 畠の中に、さらに小さく Harfeという畠があります。ワイン畠は、小さくなればなるほど地層の特質を出すと言われ、貴重な土味を知ることが出来ます。

  Harfeとは、ハープのこと。なるほど、畠の形が竪琴の様な姿をしているところから来ていると言われています。

 味の感覚ですが、かってな言い方をしますと、第二話で言いました様に、清流のような、さわやかな、澄み切った味わい。しかも少々苦み走る、やさしい大人っぽ さがニクイというところです。

 誰れもが顔をほころばせて喜ぶ Wein。
 何故? なぜ? これはどこからくるの? 何がそうさせるの? 知れば知るほど疑問でした。

 最近になって、ワインの勉強に三年を掛けた青年が帰国しました。学生の頃からワインが好きで、病い講じてドイツへと留学した、この青年の一言が、私を納得させてくれました。

 Harfe という畠は、「東南を向いているのです」。

 朝日を思い出して下さい。爽やかな時間帯を感じて下さい。日差しは次第に強くなり、真南、西へと移動します。

 味の爽やかさとは、この様な条件の中から生まれることなのだと、26年の歳月をかけて、やっと思い知りました。

 フランケンワイン「Wurzburger Stein Harfe(k)」

 ・鮎のソテー カブのクーリー ハーブの香り
 ・鯛の炙り焼 青葉の温製バターソース など

 たまらない相性です。一度、お試し下さい。
(2002.6.19 記)


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