第2話 東京グリンツッヒにて
ちょっとした仕事の区切りがあったこの日、解放されてみたい願いと、思いっきりおいしいシャンパンが飲みたい!と思い立ち、ソムリエ協会会長の経営するレストラン「東京グリンツッヒ」を訪ねた。
もう誰もいない夜中の事である。熱田氏ご夫妻は快く出迎えて下さって、おまかせのシャンパンが見事に冷えていた。
春らしい彩りの良い、おいそうなサラダがテーブルに似合っていて、クーラーの中のシャンパンは、さらに引き立っているかの様であった。
熱田氏は、凍りつく様な冷え冷えのグラスに丁寧なつぎ方でシャンパンをそそいで下さった。
私の乱暴な sekt のつぎ方(元気を表現しているつもり)とは、まるで違う丁寧さである。それは、ありがたさを感じる注ぎ方でした。
ご一緒していただいた、おしゃれな純子姫と熱田ご夫妻と居残っていただいた、パン焼の上手な Herr Koch と五人で乾杯をした。
85er ルイ ロードレール クリスタル ブリュート
表現の上手な純子姫は「ウワァー、おいしい宇宙みたい!」何を云おうとしたのでしょう。
私はすぐ解りました。
古く上質なシャンパンは、立ち上る気泡を散らしてしまい、まるで無限な星数が散らばる宇宙の如くなのです。私は、こんな経験をするのは初めてでした。古いシャンパンの面白さよ!
その色は、 Gold に輝きながら、気泡を静め、しかも新鮮な溌剌とした雰囲気を保ちながら、まるで新しい白ワインの上質さを感じるのです。
私は、「いいですねー」。マダム熱田曰く「誰れと飲もうかと云って、とっておいたみたいよ」と、さらに嬉しく、美味しくなりました。
プロ中のプロの業をご披露していただいた逸品でした。
(2002.4.12 記)
熱田 貴 氏のこと
レストラン「東京グリンツッヒ」を経営
日本ソムリエ協会会長 他
世界的なソムリエ名誉職を背負って、活躍されている方です。日本に於ける今日の優秀なソムリエ達が生まれつつあるのも、熱田氏の活躍大なりと、彼を支えるマダム熱田のおかげと感謝致します。
「東京グリンツッヒ」へ!! 皆様もどうぞ!
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